Sports Physical Therapy Seminar Series5
スポーツにおける肘関節疾患のメカニズムとリハビリテーション
  • 監修:
    福林 徹(早稲田大学スポーツ科学学術院)
    蒲田 和芳(広島国際大学保健医療学部)
  • 編集:
    鈴川 仁人(横浜市スポーツ医科学センター整形診療科)
    吉田 真(北翔大学生涯スポーツ学部)
    横山 茂樹(吉備国際大学保健科学部)
    加賀谷 善教(昭和大学保健医療学部)
    蒲田 和芳(広島国際大学保健医療学部)
  • 定価:
    3,300円(税込)
  • 頁:
    168ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2011年1月
  • ISBN:
    978-4-905168-02-7

内容

 SPTSシリーズ第5巻では,MRIや超音波エコーによる診断技術の進歩に加え,関節鏡視下手術の導入によりその治療法が大幅に進歩した「肘関節」を取り上げた。
 特に,肘関節障害が多く日常問題となっている野球とテニス競技を種目別に取り上げ,その動作と結びつけて障害発生メカニズムやリハビリテーションなどについて検討した。
 第1章では,肘の運動に作用する筋の機能と肘の関節運動や関節軸についてまとめた。筋機能としては,解剖学的特徴やモーメントアーム,筋活動などの面から最新の話題を含めて整理した。肘関節の運動については,近年確立されつつある精度の高い計測方法によって報告された肘の関節運動や屈伸軸などについてまとめた。
 第2章では,反復した投球動作により肘関節周囲に発生する,野球肘に関する研究報告をバイオメカニクス,評価診断,治療の3つに分けて文献的に考察を行い,各項の最後に,現在までに明らかになっている知見と,今後さらに明らかにすべき課題を提示した。
 第3章では,病態から発症メカニズムが多岐にわたるテニス肘について,それぞれの病態・分類に応じた評価・検査および治療法の必要性が再認識できるよう,バイオメカニクス,疫学・病態・診断・評価,手術療法と保存療法についてまとめた。
 第4章ではいままであまり注目されていなかった「肘関節脱臼」をテーマとして,その病態,診断,治療法と後遺症などを詳しく述べた。これは画期的なことで,いままでスポーツによる肘の脱臼をこれほどまでに深くレビューした企画はない。
 最後に第5章では,第1~4章において得られた野球肘,テニス肘,肘関節不安定症についての知識を臨床に活かすうえで何らかのヒントを得るべく,いくつかの治療概念を紹介した。本章とこれまでの章を併読していただくことにより,肘関節治療の現状についてより深い示唆が得られる。

目次

第1章 肘関節のバイオメカニクス
 1.肘関節の運動
 2.アライメント
 3.肘関節の内側支持機構
 4.肘関節の外側支持機構

第2章 野球肘
 5.投球動作のバイオメカニクス
 6.野球肘の疫学・病態・診断・評価
 7.野球肘の手術療法と保存療法

第3章 テニス肘
 8.テニス動作のバイオメカニクス
 9.テニス肘の疫学・病態・診断・評価
 10.テニス肘の手術療法と保存療法

第4章 肘関節脱臼
 11.肘関節脱臼の疫学および受傷機転
 12.肘関節脱臼の病態・診断・評価
 13.肘関節脱臼の手術療法と保存療法

第5章 肘関節疾患に対する私の治療-臨床現場からの提言-
 14.野球肘に対する私の治療
 15.テニス肘に対する私の治療
 16.体操競技における肘関節損傷のリハビリテーション

序文

著者一覧

永野 康治,和田 桃子,河村 真史,木村 佑,藤田 真希子,玉置 龍也,清水 響子,安井 淳一郎,小林 匠,小笠原 雅子,戸田 創,菅原 一博,河合 誠,貞清 正史,堀 泰輔,山内 弘喜,川崎 渉,佐藤 孝二,佐藤 正裕,飯田 博己,坂田 淳,岡田 亨