メタボリックシンドロームに効果的な運動・スポーツ
  • 編集:
    坂本 静男(早稲田大学スポーツ科学学術院)
  • 定価:
    2,750円(税込)
  • 頁:
    232ページ
  • 判型:
    A5判
  • 発行年月:
    2011年11月
  • ISBN:
    978-4-905168-11-9

内容

 医療関係者や運動指導者が,メタボリックシンドロームに対する安全で効果的な運動処方の作成や,実際の運動指導にも使用できるようなスポーツ実践指導マニュアルとして企画した。
 メタボリックシンドローム対策の運動として一般的な「ウォーキング」だけでなく,「ゴルフ」や「ボウリング」などの身近なスポーツ,中高年世代に人気の高い「ハイキング」や「スキー」,さらには「ボート漕ぎ」「サーキット運動」といったあまりなじみのない運動まで,どのような効果がありどのように生かせばよいのか,注意すべきことは何か,各方面の専門家が科学的に,ときには経験に基づいて解説した。

目次

第1章 メタボリックシンドロームとは
 1.メタボリックシンドローム
 2.メタボリックシンドロームとメタボリックシンドロームの概念との差
 3.内臓脂肪症候群―メタボリックシンドロームにおける内臓脂肪の意味―
 4.内臓脂肪100 平方センチメートルと腹囲(臍囲)の関係
 5.メタボリックシンドロームの現状
 6.メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の概念と健康づくりのための運動指導の意味
 7.メタボリックシンドロームと身体活動・運動施策

第2章 メタボリックシンドロームにかかわる遺伝的因子
 1.肥満関連遺伝子とメタボリックシンドローム
  1.1 日本人成人男女の肥満関連遺伝子
  1.2 肥満関連遺伝子多型とメタボリックシンドローム該当者の人数と割合
 2.テーラーメイド運動処方プログラムの可能性
  2.1 有酸素性能力とβ3アドレナリン受容体(ADRB3)遺伝子
  2.2 有酸素性能力とペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARG)遺伝子
  2.3 有酸素性能力と脱共役タンパク2(UCP2)遺伝子
  2.4 肥満関連遺伝子多型を用いたテーラーメイド運動処方プログラムの可能性

第3章 メタボリックシンドローム対策に必要な栄養生化学的知識
 1.腹部肥満(内臓脂肪蓄積)
  1.1 体脂肪・内臓脂肪の役割
  1.2 体脂肪・内臓脂肪の成因
  1.3 体脂肪・内臓脂肪を減らす栄養
 2.脂質異常
  2.1 血中脂質の役割
  2.2 血中脂質の成因
  2.3 脂質異常対策としての栄養
 3.高血圧
  3.1 血圧の役割
  3.2 血圧の成因
  3.3 高血圧対策としての栄養
 4.高血糖
  4.1 血糖の役割
  4.2 血糖の成因
  4.3 高血糖対策としての栄養

第4章 メタボリックシンドローム対策としての運動
 1.内臓脂肪型肥満症と脂質異常症・高血圧症・糖尿病との関連
 2.内臓脂肪型肥満症と脂質異常症に対する治療法
  2.1 肥満症および脂質異常症に対する運動・スポーツの効果
  2.2 運動を安全に実践させるには
 3.高血圧症に対する治療法
  3.1 高血圧症に対する運動・スポーツの効果
  3.2 高血圧症に効果的な運動・スポーツ
  3.3 高血圧症に対する運動療法
 4.糖尿病に対する治療法
  4.1 糖尿病に対する運動・スポーツの効果
  4.2 糖尿病に効果的な運動・スポーツ
  4.3 糖尿病に対する運動療法

第5章 メタボリックシンドロームにおいて重要なメディカルチェック
 1.スポーツ心臓
 2.突然死
 3.メディカルチェック項目
  3.1 内科系メディカルチェック
  3.2 整形外科系メディカルチェック

第6章 メタボリックシンドロームに対して有効な運動・スポーツの実際
 1.ジョギング・ランニング
  1.1 不向き?
  1.2 ゆっくり走る
  1.3 スロージョギングでエネルギー消費量を稼ぐ
  1.4 時間走にする
  1.5 体力を高める
 2.ウォーキング
  2.1 「ウォーキング」と「歩行」
  2.2 ウォーキングに関する研究の動向
  2.3 「歩き」を促進する手法
  2.4 ウォーキングの特性
  2.5 指導上の注意事項
 3.ハイキング・登山
  3.1 有酸素性運動としての登山の特性
  3.2 登山とウォーキングの違い
  3.3 体力にあわせた登山コースの選択
  3.4 登山中の疲労・身体トラブルの防止
 4.水 泳
  4.1 水泳の特徴
  4.2 水泳の運動処方
 5.アクアビクス・水中歩行
  5.1 メタボリックシンドロームの運動療法
  5.2 水中運動の効果
  5.3 水中運動の運動強度ならびにエネルギー消費量
  5.4 アクアビクスの効果
  5.5 アクアビクスの実際
 6.筋力トレーニング
  6.1 筋力トレーニングのメディカルチェック
  6.2 筋力トレーニングの一般的な処方
  6.3 筋力トレーニングの臨床効果
  6.4 有酸素性運動と筋力トレーニングの併用による糖代謝改善
 7.ボート漕ぎ
  7.1 ボート漕ぎとは
  7.2 ボート漕ぎ運動の健康増進効果
  7.3 ローイング・エルゴメータを用いたボート漕ぎ運動の実践
  7.4 ローイング・エルゴメータを用いたボート漕ぎ運動の効果
  7.5 エクササイズチューブを用いたボート漕ぎ運動の実践
 8.ゴルフ
  8.1 メタボリックシンドロームにおけるゴルフの有効性
  8.2 ゴルフと健康・安全に関する実態調査
 9.スキー
  9.1 クロスカントリースキー
  9.2 アルペンスキー
 10.ボウリング
  10.1 ボウリングの運動特性
  10.2 ボウリングの消費エネルギー
  10.3 メタボリックシンドロームとボウリング
  10.4 健康運動としてのボウリングの意義
  10.5 エアロビックボウリングの楽しみ方
  10.6 プロボウラーによるエアロビックボウリングの実際例
  10.7 ボウリングの後の飲食
 11.油圧式マシンを使ったサーキット複合運動
  11.1 油圧式マシンを使ったサーキット複合運動(WRCE)の効果
  11.2 油圧式マシンを使った運動の特徴
  11.3 油圧式マシンを使ったサーキット複合運動(WRCE)の特徴

第7章 運動・スポーツを安全に実施するうえでの注意点
 1.わが国におけるスポーツ中の突然死の状況
  1.1 スポーツ種目による突然死
  1.2 スポーツ施設における内因性死亡事故
 2.AED(自動体外式除細動器)
 3.運動療法の禁忌・セルフチェック
 4.運動・スポーツ現場で救急処置を要する疾患および病態
  4.1 急性心筋梗塞,狭心症
  4.2 ショック
  4.3 不整脈
  4.4 血管迷走神経反射(Vasovagal Reflex)
  4.5 脳卒中(脳血管疾患)
  4.6 アナフィラキシー
  4.7 低血糖
  4.8 熱中症
  4.9 過換気症候群
  4.10 気管支喘息
  4.11 外 傷

序文

著者一覧

田畑 泉,真田 樹義,青山 友子 ,樋口 満,坂本 静男,高田 英臣,小林 直行,田中 宏暁,中村 好男,山本 正嘉,小野寺 昇,伊藤 博之,国井 実,清田 隆毅,江川 達郎,林 達也,浅香 明子,北 徹朗,吉原 紳,川初 清典,阿部 史,竹田 唯史,田中 喜代次,竹島 伸生,牧田 茂