サプリメントのほんととウソ
エビデンスに基づいたサプリメントの有効性
  • 編集:
    下村 吉治(名古屋大学大学院生命農学研究科)
  • 定価:
    2,200円(税込)
  • 頁:
    168ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2013年4月
  • ISBN:
    978-4-905168-24-9

内容

 近年,健康意識の高まりに伴い,サプリメントに対する関心が高まっており,薬局や通信販売できわめて多くのサプリメントが販売されている。
 ある調査では,対象者の3~4割の人々がサプリメントを使用していることが報告されており,日本人のサプリメントに対する関心の高さがわかる。
 しかし,サプリメントを使用している人々のうち1~2割は,その効果や安全性に不安をもちながら使用している実態も報告されている。
 本書ではこのような状況を改善すべく,サプリメントに関する科学的エビデンスに基づいた情報をわかりやすく解説した。

目次

第1章 サプリメントとは
1.サプリメントとしてのアミノ酸食品
 1)分岐鎖アミノ酸(BCAA)について
 2)分岐鎖アミノ酸(BCAA)の生理作用
 3)分岐鎖アミノ酸(BCAA)サプリメント

第2章 ビタミン
1.ビタミンとは
2.ビタミンの必要量,不足の指標,欠乏症
3.ビタミンは壊れやすい
4.次世代型食品,ビタミンサプリメントを活用しよう
5.ビタミンCはサプリメント型と食事性の生体利用度は同じ
6.水溶性ビタミンを含むサプリメント剤の使用上の留意点
7.健康を維持するための目標排泄量
8.ビタミンA活性を有するカロテノイド類のレチノール当量は低い
9.ビタミンDは皮膚でつくることができる
10.ヒトではα-トコフェロールのみがビタミンE活性を有する
11.納豆に含まれるメナキノン-7もビタミンK活性を有する

第3章 ミネラル
1.総 論
 1)ミネラルとは
 2)ミネラルサプリメントの存在意義
 3)ミネラルサプリメントの種類
 4)ミネラルの含有量と栄養機能食品
 5)ミネラルサプリメントの素材と法による規制
 6)吸収率への配慮
2.カルシウムサプリメント
 1)カルシウムサプリメントの素材と配合物
 2)カルシウムの生理的役割とカルシウム不足の影響
 3)カルシウムサプリメント摂取の利点と副作用
3.鉄サプリメント
 1)鉄サプリメントの素材
 2)鉄の生理的役割と鉄不足の影響
 3)鉄サプリメント摂取の利点と副作用
4.亜鉛サプリメント
 1)亜鉛サプリメントの素材と配合物
 2)亜鉛の生理的役割と亜鉛不足の影響
 3)亜鉛サプリメント摂取の利点と副作用
5.セレンサプリメント
 1)セレンサプリメントの素材
 2)セレンの生理的役割とセレン不足の影響
 3)セレンサプリメント摂取の利点と副作用
6.クロムサプリメント
 1)クロムサプリメントの素材
 2)三価クロムの生理的役割とクロム不足の影響
 3)クロムサプリメント摂取の利点と副作用
7.その他のミネラルサプリメント
 1)ヨウ素
 2)マグネシウム
 3)銅
 4)モリブデンとマンガン
 5)フッ素
 6)バナジウム
 7)ゲルマニウム

第4章 からだづくりとタンパク質・アミノ酸サプリメント
1.タンパク質はからだのなかでどのように利用されるのか
2.からだづくりにはエネルギーが不足していないことが重要
3.1日あたりのタンパク質の必要量
4.1食あたりのタンパク質の必要量
5.高タンパク質食
6.アミノ酸による筋タンパク質合成刺激
7.高齢者の筋肉合成
8.吸収速度と筋タンパク質合成
9.タンパク質を炭水化物といっしょにとること
10.タンパク質の摂取タイミング
11.からだづくり効果の評価指標

第5章 スポーツと糖質サプリメント
1.スポーツにおける糖質の役割
 1)筋肉における糖質の役割
 2)脳における糖質の役割
 3)筋肉・肝臓での糖の貯蔵形態-グリコーゲンの役割-
2.食事・サプリメント中に含まれる糖質の種類とその特徴
 1)糖質の種類
 2)糖質の味・飲みやすさ
 3)糖質の消化吸収速度
3.スポーツの状況に応じた糖質補給
 1)競技数日前の糖質摂取とサプリメント
 2)競技前の糖質摂取とサプリメント
 3)競技中の糖質摂取とサプリメント
 4)運動後の糖質摂取とサプリメント
4.糖質およびそれに類する成分
 1)デキストリン
 2)リボース
 3)グリセロール
 4)β-グルカン

第6章 活性酸素に対抗するサプリメント
1.活性酸素と酸化ストレス
2.活性酸素とフリーラジカルの性質
 1)スーパーオキシド(スーパーオキシドアニオンラジカル)
 2)過酸化水素
 3)ヒドロキシルラジカル
 4)一重項酸素
3.その他の活性酸素種
4.抗酸化物質の役割
5.サプリメントに含まれる抗酸化物質
 1)ネットワーク系抗酸化物質
 2)カロテノイド類
 3)ポリフェノール類
 4)ミネラル(微量元素)類
 5)その他の抗酸化物質と抗酸化サプリメント

第7章 おなかで働くサプリメント
1.食物繊維にはどのようなものがあり,どのような成分を含んでいるのか
2.食物繊維の特性と消化管内における働き
 1)保水能と糞便量
 2)消化管通過時間の短縮作用
 3)吸収速度の遅延効果
 4)プレバイオティクスとしての効果
4.サプリメントとして用いられる食物繊維
 1)リグニン
 2)小麦ふすま
 3)アルギン酸および低分子化アルギン酸ナトリウム
 4)寒天由来の食物繊維
 5)グアーガムおよびグアーガム分解物
 6)ペクチン質
 7)サイリウム種皮由来の食物繊維
 8)グルコマンナン(コンニャクマンナン)
 9)キチンおよびキトサン
 10)ポリデキストロース
5.オリゴ糖類
 1)イソマルトオリゴ糖
 2)ガラクトオリゴ糖
 3)キシロオリゴ糖
 4)大豆オリゴ糖
 5)乳果オリゴ糖
 6)フラクトオリゴ糖およびイヌリン
 7)ラクチュロース
6.その他の難消化性糖類
 1)難消化性デンプン
 2)難消化性デキストリン
7.プロバイオティクス

■トピックス
1.アスタキサンチン
2.アントシアニン
3.イソフラボン
4.カルニチン
5.ガルシニア
6.グルコサミン
7.コエンザイムQ10
8.コラーゲン
9.コンドロイチン硫酸
10.中鎖脂肪酸
11.ドコサヘキサエン酸とエイコサペンタエン酸
12.テアニン
13.ヒアルロン酸

序文

著者一覧

下村 吉治,柴田 克己,松尾 達博,吉田 宗弘,北浦 靖之,岡村 浩嗣,石原 健吾,長澤 純一,大野 秀樹,村上 太郎,早川 享志,中井 直也