リカバリーの科学
スポーツパフォーマンス向上のための最新情報
  • 編集:
    Christophe Hausswirth, Iñigo Mujika
  • 監訳:
    長谷川 博(広島大学大学院総合科学研究科)
    山本 利春(国際武道大学体育学部)
  • 定価:
    4,180円(税込)
  • 頁:
    312ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2014年9月
  • ISBN:
    978-4-905168-32-4

内容

 本書は,国際的に活躍するエリートアスリートとともに働く世界の著名なスポーツ科学者たちが,リカバリーに関する最新の科学的データを集め,わかりやすく解説したはじめての本の翻訳である。
 「パフォーマンスを向上させたい」「オーバーリーチングや怪我を予防したい」と願っているすべてのアスリートやコーチのために,科学的なエビデンスに基づいた情報を17の章に分けて述べた。
 また,エリートスポーツに携わるコーチやスポーツ科学者が,成功へと導いた競技現場でのリカバリーの応用例もまとめられている。
 本書を利用するすべての人々がトレーニングや試合などの競技活動におけるオーバーロードや怪我のリスクを低下させ,最終的にはそれぞれのパフォーマンスを改善する手助けとなるリカバリープロセスを学ぶ一助になることを期待したい。

目次

PART I  疲労とリカバリーの基礎
第1章 運動トレーニングの生理学
 過負荷の生理学
 過負荷の種類
 トレーニングとリカバリー
第2章 オーバートレーニング症候群
 連続した疲労
 オーバートレーニングの患者数
 オーバートレーニング症候群の診断に関する研究
 オーバートレーニングの評価

PART II ピリオダイゼーションとリカバリーの管理
第3章 オーバートレーニングの予防
 ピリオダイゼーションに関する研究
 ピリオダイゼーションのモデル
 トレーニング耐性のモニタリング
 体力と疲労の関係
第4章 アクティブリカバリー
 リカバリー手段とインターバル運動
 リカバリー方法と有酸素能力の発達
 アクティブリカバリーとパフォーマンスの反復
 単一パフォーマンスのリカバリー
第5章 リカバリーの心理的側面
 リカバリー不足の影響
 動機づけとバーンアウト
 積極的関与とモチベーション
 心理的リカバリーの評価方法

PART III リカバリーを最適化するための戦略
第6章 ストレッチング
 ストレッチングの種類
 ストレッチングの生理学
 ストレッチングがパフォーマンスに及ぼす影響
 ストレッチングとリカバリーに関する研究
第7章 水分補給
 運動中の水分損失
 脱水へいたる過程
 脱水と運動パフォーマンス
 脱水と心理的パフォーマンス
 推奨される体水分維持方法
 水分過剰状態
第8章 栄養補給
 タンパク質代謝とリカバリー
 筋のリカバリーにおけるタンパク質,糖質およびロイシンの組み合わせ
 分岐鎖アミノ酸と運動後の心理的パフォーマンス
 糖類とリカバリー
 糖質とタンパク質の同時摂取
第9章 睡 眠
 睡眠周期のステージ
 断眠の生理学
 断眠と運動パフォーマンス
 断眠と知覚状態
 トリプトファンと睡眠周期
 水分過剰と睡眠障害
 睡眠の質に対するアルコールと刺激物の影響
 昼寝の利点
第10章 マッサージと理学療法
 マッサージ技術
 マッサージの生理学的効果
 マッサージとリカバリー
 電気刺激
 電気刺激の生理学的効果
 電気刺激とリカバリー
 光治療
 アロマセラピー
第11章 コンプレッション衣類
 コンプレッション(着圧)による生理学的な変化
 運動時のパフォーマンスへの影響
 コンプレッション衣類とリカバリー
第12章 局所に対する温熱と冷却
 局所的な温熱と冷却に対する生理学的反応
 筋機能とパフォーマンスに及ぼす影響
 冷却の実用的方法
第13章 温度環境の変化
 気温に対する生理学的反応
 全身低温療法(クライオセラピー)
 ドライサウナ(乾燥式サウナ)入浴
 遠赤外線治療
 高湿高温スチームサウナ
第14章 水浴療法
 水浴の生理的反応
 運動による筋損傷への水浴効果
 高強度運動と水浴
 フィールドベースの研究

PART IV リカバリーのために考慮すべき問題
第15章 性 差
 エネルギー貯蔵量の回復と維持
 短時間,高強度運動後の代謝反応
 慢性疲労と1日のエネルギーバランス
 リカバリーと筋骨格系の再生過程
 目標とするリカバリー戦略
第16章 温度と気候運動中の体温調節
 運動が引き起こす高体温とパフォーマンス
 温熱ストレスの低減とパフォーマンス改善
 形態と暑熱ストレス
 熱ストレスと運動リカバリー
第17章 高地でのリカバリー
 高度環境曝露への生理的反応
 パフォーマンスへの高度の影響
 リカバリーにおける高度の影響
 身体組成,栄養分布および睡眠への高度の影響

序文

訳者一覧

長谷川 博,山本 利春,桜井 智野風,中村 大輔,田中 美吏,山口 太一,安松 幹展,鬼塚 純玲,依田 珠江,笠原 政志,太田 千尋