発達性協調運動障害の評価と運動指導
障害構造の理解に基づくアプローチ
  • 著:
    新田 收(首都大学東京大学院)
  • 定価:
    4,104円(税込)
  • 頁:
    272ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2018年11月
  • ISBN:
    978-4-905168-57-7

内容

 「発達性協調運動障害」は,いわゆる「発達障害」の中に分類され,特に運動のぎこちなさを主症状とした障害である。発達障害の中でも,「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」などと比較して詳細な報告が少なく,不明な点も多く残されている。
 本書は,現在解明されつつある「発達性協調運動障害」について,障害構造の観点から整理を試みた。この障害が,複数の要因が絡み合い構築されていることを,多くの側面に分け解説した。
 ここで示した障害構造を基礎とし,運動指導のための評価方法と指導プログラムを,具体的に説明した。

目次

第1章 発達性協調運動障害概説
 1.1 運動のぎこちなさ,不器用さを特徴とした子ども
 1.2 発達障害と発達性協調運動障害の定義
 1.3 発達性協調運動障害の歴史的変遷
 1.4 成長に伴う問題
  1.4.1 乳児期
  1.4.2 幼児前期
  1.4.3 幼児後期
  1.4.4 就学以降
 1.5 周産期医療

第2章 発達性協調運動障害に隣接する障害
 2.1 自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder:ASD)
  2.1.1 ASDとは
  2.1.2 ASDにみられる問題点
  2.1.3 ASDにみられる感覚異常
  2.1.4 ASDの発症率
 2.2 自閉症
 2.3 アスペルガー症候群
 2.4 広汎性発達障害(pervasive developmental disorder:PDD)
  2.4.1 PDDとは
  2.4.2 PDDからASDへ
 2.5 注意欠陥・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)
 2.6 限局性学習障害(specific learning disorder:SLD)

第3章 協調運動を形作る要素
 3.1 感 覚
  3.1.1 感覚異常
  3.1.2 感覚受容器
  3.1.3 表在感覚
  3.1.4 深部感覚
  3.1.5 平衡感覚
  3.1.6 聴 覚
  3.1.7 感覚の発達
  3.1.8 感覚と発達障害
 3.2 注 意
  3.2.1 選択的注意
  3.2.2 分割的注意
  3.2.3 二重課題成績と身体特性
  3.2.4 発達障害における二重課題成績
 3.3 認 知
  3.3.1 認知の発達
  3.3.2 発達障害における認知の特徴
  3.3.3 発達障害における認知発達
 3.4 姿勢制御
  3.4.1 運動発達における姿勢制御
  3.4.2 発達障害における運動発達
  3.4.3 中枢性姿勢制御
  3.4.4 体幹の安定性
 3.5 協調運動
  3.5.1 協調運動のメカニズム
  3.5.2 小脳障害によって引き起こされる症状
  3.5.3 協調運動と発達障害
 3.6 運動イメージ
  3.6.1 人称の異なる運動イメージ
  3.6.2 模倣の発達
  3.6.3 運動イメージと発達障害
 3.7 発達性協調運動障害の構造

第4章 発達性協調運動障害の評価
 4.1 評価の考え方
 4.2 予測因子
  4.2.1 出生時の状況
  4.2.2 運動発達の遅れ
  4.2.3 利き手,利き足
  4.2.4 構 音
 4.3 特徴の把握
  4.3.1 感覚入力の評価
  4.3.2 空間認知の評価
  4.3.3 選択的注意の評価
  4.3.4 二重課題の評価
  4.3.5 姿勢制御の評価
  4.3.6 協調運動の評価
  4.3.7 運動イメージの評価:N式幼児運動イメージテスト

第5章 運動プログラム作成と運動指導
 5.1 運動指導の考え方
 5.2 運動指導の方法
  5.2.1 感覚入力
  5.2.2 空間認知
  5.2.3 選択的注意
  5.2.4 二重課題
  5.2.5 姿勢制御
  5.2.6 協調運動
  5.2.7 運動イメージ

付 録
 付録1 N式幼児運動イメージテスト用絵カード
 付録2 空間認知指導用絵カード
 付録3 運動イメージ指導用ロボットのペーパークラフト

序文