リハビリテーションのためのピラティス
運動器障害からの回復と機能の適正化
  • 著:
    Samantha Wood
  • 監訳:
    中村 尚人(株式会社P3)
    小山 貴之(日本大学文理学部体育学科)
  • 定価:
    4,620円(税込)
  • 頁:
    288ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2019年10月
  • ISBN:
    978-4-905168-61-4

内容

 私の理学療法・健康増進施設では,16年以上にわたってピラティスを患者の治療に取り入れ,すばらしい結果を残してきた。ピラティスが治療目的で適切に使われた時,非常に効果的なツールになりうるのを直接目にしてきたし,研究もそれを支持している。ピラティスのエクササイズと原則は,慢性疾患患者の機能を改善するだけでなく,けがや手術から回復する助けとなる。ピラティスメソッドは,特に伝統的な理学療法や他のリハビリテーション技術と組み合わせた場合に,痛みや機能不全を管理するのに役立つ。
 本書の目的は,整形外科リハビリテーションの専門家にピラティスの哲学を知ってもらい,患者を対象とした治療法としてピラティスを用いる方法を教えることである。フィットネスの愛好家,エリートアスリート,スポーツの愛好家,デスクワーカー,高齢者など,利用する人が誰であろうと,ピラティスは利益をもたらすことができる。
 第I部では,リハビリテーションのためのピラティスを裏づける理論的根拠と,それが古典的なピラティスとどのように違うのかについて説明する。この部分では,指針となる原則について概説し,ピラティスの教えを検証する。そして,ピラティスがリハビリテーションの専門家にとって非常に貴重なツールとなりうる理由と方法を明らかにする。
 第II部では,ピラティスのエクササイズの具体的な方法を解説する。古典的なピラティスだけで600以上のエクササイズがあるので,一般的な整形外科のリハビリテーションに最も有益だと思われるものだけを選んだ。各エクササイズに関して,適応と禁忌,主に関与する筋,生体力学的および神経筋的な注意事項を述べる。エクササイズの方法を詳細に記述し,バリエーションとプログレッションは必要に応じて記す。
 第III部はそれらをまとめたものであり,特定の障害や病変に対して使用できるエクササイズを示す。内容は,解剖学的領域ごとに分類した。
 本書は,理学療法士をはじめとするリハビリテーションの専門家,カイロプラクティックの専門家,アスレティックトレーナー,パーソナルトレーナー,ピラティスインストラクターに,ピラティスについての情報を提供することを意図している。本書を読み終える頃には,すべての患者やクライアントの治療計画にピラティスを効果的に取り入れるための入り口に立っていることだろう。
(「はじめに」より)

目次

第I部 ピラティスについての議論
 第1章 リハビリテーションのためのピラティスの科学的背景
 第2章 ピラティスの指導原理
 第3章 ピラティスのリハビリテーションへの統合
 第4章 効果的な実践のために必要な方法論と機器

第II部 エクササイズ
 第5章 マット・エクササイズ
 第6章 リフォーマー・エクササイズ
 第7章 キャデラック・エクササイズ
 第8章 ワンダチェアー・エクササイズ

第III部 よくみられる外傷・障害・病変に対するピラティスエクササイズ
 第9章 頚椎と胸椎
 第10章 腰椎
 第11章 肩関節
 第12章 股関節
 第13章 膝関節
 第14章 足部と足関節

序文

訳者一覧

久世 佳典,井上 航,瀬戸 景子,横堀 かおり