ムーブメント
ファンクショナルムーブメントシステム:動作のスクリーニング,アセスメント,修正ストラテジー
  • 著:
    Gray Cook
  • 監訳:
    中丸 宏二(寺嶋整形外科医院リハビリテーション科,首都大学東京大学院人間健康科学研究科)
    小山 貴之(日本大学文理学部体育学科)
    相澤 純也(東京医科歯科大学医学部附属病院スポーツ医学診療センター)
    新田 收(首都大学東京大学院人間健康科学研究科)
  • 定価:
    7,700円(税込)
  • 頁:
    400ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2014年1月
  • ISBN:
    978-4-905168-28-7

内容

 動作の質的測定を行うためのシステム「ファンクショナルムーブメントスクリーン(Functional Movement Screen:FMS)」と「セレクティブ・ファンクショナルムーブメントアセスメント(Selective Functional Movement Assessment:SFMA)」を紹介する。
 様々な対象者の動作パターンを調べ,一貫性のある基準を用いて問題の有無を判断する方法と,その問題を修正するために適切なエクササイズを処方するヒントを,本書の中に見つけることができるだろう。
 日本においてもFMSは,プロのアスリートだけでなく一般のスポーツ愛好家にも行われるようになってきているが,医療の専門家の中ではまだ充分に認識されていないのが現状である。スポーツやフィットネス,リハビリテーションには様々な専門分野の人が関わっているが,FMSとSFMAはこのような専門分野の溝を埋めるツールとなりうる。

目次

第1章 スクリーニングとアセスメントの概要
 動作のスクリーニングとアセスメントの実践
 我々の取り組むべき課題は動作である
 ファンクショナルムーブメントシステムの必要性
 ムーブメントスクリーニングモデル
 機能不全・痛み・リハビリテーション
 FMSの歴史
 パターンの識別
 ファンクショナルムーブメントシステムにおけるロジスティクスの5つの基本原則

第2章 解剖学的科学と機能の科学
 筋機能―動作と感覚
 真の動作
 動作の欠陥と機能不全
 分類のまとめ

第3章 動作の理解
 動作の知識とエクササイズの知識
 活動,エクササイズ,スポーツについての考え方
 スクリーン,テスト,アセスメント
 システムの概観
 機能的動作の基準の作成

第4章 動作のスクリーニング
 FMSはどこに属するのか

第5章 ファンクショナルムーブメントシステムと動作パターン
 FMS
 SFMAトップティアーテスト
 SFMAブレイクアウト
 ファンクショナルムーブメントシステムのコンセプト
 FMSのデザイン
 4つの基本的なフィルター
 FMS実施中の疼痛や違和感
 FMSの採点方法―結果の序列化

第6章 ファンクショナルムーブメントスクリーンの詳細
 FMSのテスト
 ディープスクワット
 ハードルステップ
 インラインランジ
 ショルダーモビリティリーチング
 アクティブ・ストレートレッグレイズ
 トランクスタビリティプッシュアップ
 ロータリースタビリティ
 FMSのまとめ
 FMSの修正

第7章 SFMAの概要とトップティアーテスト
 SFMAトップティアーテスト
 サービカルスパイン
 アッパーエクストレミティ
 アッパーエクストレミティ・ペインプロボケーションテスト
 マルチセグメンタルフレクション
 マルチセグメンタルエクステンション
 マルチセグメンタルローテーション
 シングルレッグスタンス
 オーバーヘッドディープスクワット
 動作と疼痛情報のバランスをとる方法

第8章 SFMAブレイクアウトの詳細とフローチャート
 サービカルスパイン・ブレイクアウトの理論的根拠
 サービカルスパイン・ブレイクアウト
 アッパーエクストレミティ・ブレイクアウトの理論的根拠
 アッパーエクストレミティ・ブレイクアウト
 マルチセグメンタルフレクション・ブレイクアウトの理論的根拠
 マルチセグメンタルフレクション・ブレイクアウト
 マルチセグメンタルエクステンション・ブレイクアウトの理論的根拠
 マルチセグメンタルエクステンション・ブレイクアウト
 スパインエクステンション・ブレイクアウト
 ローワーボディエクステンション・ブレイクアウト
 アッパーボディエクステンション・ブレイクアウト
 マルチセグメンタルローテーション・ブレイクアウトの理論的根拠
 マルチセグメンタルローテーション・ブレイクアウト
 リミテッド・マルチセグメンタルローテーション・ブレイクアウト
 ヒップローテーション・ブレイクアウト
 ティビアルローテーション・ブレイクアウト
 シングルレッグスタンス・ブレイクアウトの理論的根拠
 シングルレッグスタンス・ブレイクアウト
 前庭とコアのブレイクアウト
 アンクル・ブレイクアウト
 オーバーヘッドディープスクワット・ブレイクアウトの理論的根拠
 オーバーヘッドディープスクワット・ブレイクアウト
 ローリング・ブレイクアウトの理論的根拠
 ローリング・ブレイクアウト
 臨床家への重要な注意

第9章 FMSとSFMAにおける動作分析
 ディープスクワット
 スクワットのスクリーニング実施時の誤り
 ハードルステップとシングルレッグスタンス
 インラインランジ
 ショルダーモビリティリーチング
 アクティブ・ストレートレッグレイズ
 トランクスタビリティプッシュアップ
 ロータリースタビリティ
 ローリング

第10章 修正ストラテジーの理解
 コレクティブエクササイズによくみられるまちがい
 エクササイズの基本から始める
 パフォーマンスピラミッド
 短期的反応と長期的適応
 コレクティブエクササイズの進め方
 どのエクササイズをプログラムから外すべきか
 エクササイズ:コレクト(正しい)とコレクティブ(修正)
 セルフリミティングエクササイズ:自然で正しいエクササイズ
 コレクティブエクササイズの目標

第11章 修正ストラテジーの進め方
 筋のテンションとトーンがすべてである
 FMSとコレクティブエクササイズ
 SFMAとコレクティブエクササイズ
 コレクティブエクササイズとファンクショナルエクササイズとの違い
 コンディショニングエクササイズ,コレクティブエクササイズ,ムーブメントプリパレーション
 スキルトレーニング,コンディショニング,コレクティブエクササイズ
 FMSにおける修正の優先順位
 SFMAにおける修正の優先順位
 コレクティブエクササイズのツールボックス

第12章 修正の枠組みを構築する
 コレクティブエクササイズにおける6つのP
 様々な対象者に対する特別な考慮
 運動心理学の理論
 呼吸のスクリーニング

第13章 動作パターンの修正
 基礎的な可動性の修正
 基礎的な安定性/モーターコントロールの修正
 ローリング
 静的・動的安定性の修正

第14章 応用的な修正ストラテジー
 動作学習についての考察
 修正のための体験と知覚
 疑い深い身体と鈍い身体
 修正システムの概要
 デッドリフト:修正体験の例
 補助輪はバランスを強化しない
 応用的な修正ストラテジー
 個人的見解

第15章 結 論
 エクササイズとリハビリテーションにおけるビジネス
 原則と方法
 ファンクショナルムーブメントシステムの原則
 驚くべき脳の動作学習機能

付録1 関節別アプローチの概念
付録2 関節別アプローチの詳細
付録3 SFMAスコアシートとフローチャート
付録4 呼 吸
付録5 心拍変動
付録6 ファンクショナルムーブメントシステム考案チームの紹介
付録7 キャリア初期の考えとジャンプについての研究
付録8 コアのテストと機能的ゴニオメーター
付録9 FMSの採点基準
付録10 FMSでの口頭指示
付録11 ディープスクワットの一般的な評価過程の例
付録12 自己記入式質問票

序文

訳者一覧

鈴川 仁人,玉置 龍也,窪田 智史,波戸根 行成,瓦田 恵三,志村 圭太,勝木 員子,関口 貴博,平尾 利行