現在，プライオメトリック・トレーニングは，さまざまなスポーツでパフォーマンス向上のために利用されるようになってきているが，強度が高いために上級者のアスリートのためのトレーニングのように理解されているところがある。
　しかし，プライオメトリックの概念を正しく理解し，アスリートの状態や能力を把握し，適切な種目，強度，回数や時間を詳細に設定することで初心者でも安全に実施することができる。
　本書では，初心者向けから高度なスキルを必要とするものまで多くのドリルが示されているだけでなく，プライオメトリック・トレーニングの生理学的根拠や，傷害予防，リハビリテーションへの応用，さまざまなアスリートに対するトレーニングの指導方法とトレーニング・プログラムの計画まで，多くの情報が提供されている。
　本書はスポーツの現場で初心者から上級者まで安全かつ効果的にプライオメトリック・トレーニングを実施するために役立つ一冊であり，スポーツ現場や臨床の場で読者の方々が抱く疑問を解決する糸口を与えてくれるものと信じている。

Part I　プライオメトリックに必要な知識
　1　筋活動，スポーツパフォーマンスとプライオメトリック・トレーニング
　2　プライオメトリックの解剖学と生理学
　3　プライオメトリックはどのように作用するか

Part II　考慮すべき問題
　4　プライオメトリック・トレーニングと若年アスリート
　5　女性アスリートのためのプライオメトリック・トレーニングと神経筋トレーニング
　6　リハビリテーションのためのプライオメトリック・トレーニング

Part III　プライオメトリックの応用
　7　プライオメトリック・トレーニングのための筋力とパワーの評価
　8　プライオメトリック・トレーニング・プログラムの導入
　9　プライオメトリック・エクササイズの実際
　10　総合的なコンディショニング・プログラムにおけるプライオメトリック・トレーニング
　11　スポーツ特性に応じたプライオメトリック・トレーニング・プログラム

日暮 清