転倒予防のためのバランス運動の理論と実際
  • 編集:
    竹島 伸生(名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科)
    Michael E Rogers(ウイチタ州立大学教育学部)
  • 定価:
    2,200円(税込)
  • 頁:
    142ページ
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2010年7月
  • ISBN:
    978-4-931411-98-2

内容

 わが国の平均寿命は世界一であるが,寿命が延伸することはよいことばかりでなく,機能的障害や支援を要するような疾患も増加する。
 また,高齢者のみの世帯や独居生活の高齢者が増えており,支援を必要とせず,一人で生活できる能力や機能を維持しておくことが大きな課題となっている。
 高齢者の自立を損なう大きな要因の1つとして転倒があげられており,転倒により寝たきりの状態になったり,場合によっては死にいたる危険性もある。
 しかし,最近の研究では,トレーニングによって転倒は予防することができるといわれており,現在,さまざまな取り組みがなされている。
 本書では,この転倒にかかわりが大きいといわれるバラン能を改善すべく,そのトレーニング方法について,多くの図や写真を用いて具体的に示した。

目次

第1章 健康づくりのための運動とは?

第2章 転倒の内的要因および外的要因
 I.転倒の要因
 II.転倒の内的要因と外的要因
 III.転倒に関する心理的要因

第3章 転倒とバランス能
 I.バランス能に影響する要因 視覚系/前庭系/体性感覚系/筋機能(筋力)
 II.転倒とバランス能 バランス能の分類/静的バランス能と転倒の関連/動的バランス能と転倒の関連

第4章 バランス能の測定と評価
 I.主観的評価 Guralnikテスト/Bergバランススケール/Tinettiのバランスと歩行評価
 II.パフォーマンス評価 静的バランス/動的バランス/歩行速度と移動能力
 III.筋力評価

第5章 加齢に伴うバランス能の変化
 I.静的バランス能の加齢変化
 II.動的バランス能の加齢変化

第6章 加齢に伴う筋量,筋力の変化
 I.加齢に伴う骨格筋量の変化
 II.加齢に伴う筋力の変化
 III.筋力の低下と転倒のリスク

第7章 バランス運動の効果
 I.身体運動の生理的効果 転倒予防に対する運動の効果/健常者に対するバランス運動の効果/虚弱高齢者に対するバランス運動の効果
 II.転倒予防に対する心理的影響と介入効果 転倒と心理的特質/転倒不安を軽減するための介入と評価/運動介入による心理 的効果

第8章 バランス運動の実際
 I.健常者に対する運動の実際と指導法 静的バランス運動/動的バランス運動/バランス運動の実際/筋力アップ(レジスタンス運動)の指導/歩行とトレーニングの工夫
 II.虚弱者に対する運動・リハビリテーションの実際と指導法 虚弱者に対する運動指導/バランス能が著しく低下している人に対する運動指導/脳卒中やパーキンソン病患者に対するリハビリテーション指導/立位バランス障害をきたす代表的な疾患/脳卒中患者に対するリハビリテーション指導/パーキンソン病患者に対するリハビリテーション指導/リハビリテーション指導の注意点

第9章 運動指導(支援)の心得

序文

著者一覧

竹島 伸生,Michael E. Rogers,Nicole L.. Rogers,冨山 直輝,成田 誠,藤田 聡,山田 ともみ,小泉 大亮,竹田 正樹,岡田 壮市,和田 陽介

正誤表(PDF)