筋膜ストレッチセラピー
  • 著:
    Ann Frederick,Chris Frederick
  • 訳:
    中丸 宏二(寺嶋整形外科医院リハビリテーション科)
  • 定価:
    5,832円(税込)
  • 頁:
    232ページ・フルカラー
  • 判型:
    B5判
  • 発行年月:
    2015年10月
  • ISBN:
    978-4-905168-38-6

内容

 全身に広がる筋膜連鎖を利用し,すべての身体システムを働かせる包括的なアプローチである「筋膜ストレッチセラピー(Fascial Stretch Therapy:FST)」を紹介する。このアプローチは,1990年代に著者らによって開発されて以来,NFLをはじめとするプロのアスリートを含め多くのクライアントに支持され,今日では神経筋膜の障害・機能不全に対して非常に効果的な徒手療法として認識されている。
 本書ではまず,ストレッチングについての肯定的・否定的研究結果について議論し,筋膜に対するストレッチングの根拠を示す。
 さらに,「筋膜ストレッチセラピー」の基本原則を示し,他のストレッチング法と比較検討する。
 本書後半では,「筋膜ストレッチセラピー」の詳細な実施方法が,豊富な写真とともに段階的に解説する。

目次

第1部
第1章ストレッチングに関する論争
 はじめに
 否定的な研究結果
  傷 害
  筋力,パワー,スピード
 肯定的な研究結果
  組織と細胞に対するストレッチング
 ストレッチングに関する研究結果の見方
 新たな定義
  柔軟性
  形態と機能
  テンセグリティー
 ヒトの細胞がバイオテンセグリティー構造であるという根拠
 プリストレスがかかっている身体における柔軟性と安定性
 筋筋膜の緊張と張力
 細胞は歪む
 ストレッチングは損傷した細胞を修復する
 固有受容器と内受容器に対するストレッチングの効果
 FSTの評価と治療
 まとめ
第2章 筋膜ストレッチセラピーの詳細
 はじめに
 1.呼吸を動作に同期させる
  動 作
  呼 吸
  動作と呼吸を組み合わせる
 2.状況に合わせて神経系を調整する
 3.論理的な順序に従う
 4.痛みなく可動域を改善させる
  モビライゼーションとTOC
 5.筋だけでなく神経筋筋膜をストレッチする
  メカノレセプターの位置
 6.複数の運動面を利用する
 7.関節全体をターゲットにする
 8.牽引により最大限伸張する
 9.最良の結果を得るために反射を促通する
 10.目標に合わせてストレッチングを調整する
  強 度
  継続時間
  反復回数
  まとめ
 FSTの禁忌
 FSTの適応
  痛 み
  痛みを伴う,あるいは伴わない構造的病態
  スポーツ
 まとめ
第3章 類似点と相違点
 はじめに
 よく使われるストレッチングの方法とアプローチ
  固有受容性神経筋促通法(PNF)
  筋膜ストレッチセラピー(FST)
  アクティブアイソレイテッドストレッチング(AIS)
 その他のストレッチングの方法とテクニック
 古来のストレッチングテクニック
 ストレッチングが含まれるマニュアルセラピーテクニック
 まとめ
第4章 評 価
 はじめに
 触診能力
 動作と動きの違い
 START
 簡便な評価テクニック
 SITTT
 評価の流れ:全体から局所へ,静的評価から動的評価へ
 1.姿勢テスト
 2.筋筋膜のテスト
 3.関節のテスト
 4.神経のテスト
 動作評価のまとめ
 治療台上での評価
 他動運動
 TOC評価
  牽 引
  振幅運動
  分回し運動
 他動運動時の抵抗(R1−R3)
 抵抗運動(FST−PNF)
 まとめ

第2部
第5章 ローワーボディテクニック
テクニックに関する重要な概念
 はじめに
 FSTの10の基本原則
 10の原則に基づく実践ガイド
  1.呼 吸
  2.神経系
  3.順 序
  4.痛みなく改善させる
  5.神経筋筋膜
  6.複数の運動面
  7.関 節
  8.牽 引
  9.PNF
  10.現在の目標
 可動域の評価
  組織の抵抗感の説明
  呼吸テクニック
  PNFテクニック
  FST−PNFの手順(サンプル)
 セッションを成功させるためのヒント
  最も重要な2つのヒント
  その他のヒント
  コミュニケーション
  ボディメカニクス
  個人差
実践編
 A.全般的評価
  1.観 察
  2.ヒップクリアランス
  3.脚長差の確認
  4.ダブルレッグトラクション
  5.シングルレッグトラクション
  6.ラテラルラインの動作の確認(セラピストの右側への移動)
 B.可動域評価,ウォームアップ,FST−PNFストレッチ—下肢屈曲位(単関節)
  1.分回し運動
  2.股関節・膝関節屈曲—ハムストリングス,殿筋,腰仙骨部—SBL,FL
  3.股関節屈曲・外転,膝関節屈曲—ハムストリングス,殿筋,腰仙骨部,股関節内転筋群—SBL,FL,DFL
  4.股関節屈曲・外転・外旋—内側ハムストリングス,股関節内転筋群—SBL,FL,DFL
  5.股関節屈曲・外転・外旋—内側ハムストリングス,短い股関節内転筋群—SBL,FL,DFL
  6.胸腰部の回旋—胸腰筋膜,大殿筋,中殿筋,股関節の関節包—SBL,SPL,FL
  7.反対側への牽引
  8.腰部回旋,股関節屈曲・内転—胸腰部,股関節後部—SBL,SPL,FL
  9.「サックオブバンズ(SackofBuns)」:胸腰部回旋,股関節屈曲・外旋,膝関節屈曲—胸腰部,腰方形筋,腰仙骨部,股関節外旋筋群—SFL,SPL,DFL
  10.股関節屈曲・外旋・内転,膝関節屈曲45°—中殿筋,梨状筋—LL,SPL
  11.股関節屈曲・内転・外旋,膝関節屈曲90°—股関節伸展筋群,大殿筋—FL
 C.可動域評価,ウォームアップ,FST−PNFストレッチ—下肢伸展位(多関節)
  1.股関節屈曲,膝関節伸展—ハムストリングス—SBL,SPL
  2.股関節屈曲・外転,膝関節伸展—内側ハムストリングス—DFL,SBL,FL,SPL
  3.股関節屈曲・外転,膝関節伸展—内側ハムストリングスに焦点を当てる—SBL,SPL,FL,DFL
  4.股関節屈曲・外転,膝関節伸展—長い股関節内転筋群に焦点を当てる—SBL,FL,SPL,DFL
  5.股関節屈曲・外転,膝関節伸展—ハムストリングスと長い股関節内転筋群の組み合わせ—SBL,FL,SPL,DFL
  6.腰部回旋を伴う股関節屈曲・内転・内旋—腰部,殿筋,腸脛靭帯,腓骨筋—SBL,LL
  7.股関節屈曲・内転,膝関節伸展,腰部回旋—腰部,外側ハムストリングス,殿筋,腸脛靭帯,腓骨筋—LL,SPL,SBL
  8.腰部回旋を伴う股関節屈曲・内転・内旋—腰部,殿部,腸脛靭帯,腓骨筋—外側ハムストリングス,高いポジション—SPL,SBL
 D.可動域評価,ウォームアップ,FST−PNFストレッチ
  1.骨盤外旋—腸骨筋,腰筋—DFL
  2.股関節伸展—股関節屈筋群—SFL,DFL,SPL,LL
  3.股関節伸展・内転—股関節屈筋群,股関節外転筋群—SFL,DFL,FL,SPL,LL
  4.股関節伸展—股関節屈筋群—筋膜要素—SFL,DFL,FL,SPL
  5.股関節伸展,膝関節屈曲—大腿四頭筋に焦点を当てる—SFL,DFL,FL,SPL
 E.ラテラルライン
  1.下肢からの腰部側屈—腓骨筋から腰方形筋までの筋膜—LL,SPL
 F.右下肢でB〜Eを繰り返す
 G.骨盤安定化と仙骨セット
  1.股関節外転筋の収縮
  2.股関節内転筋の収縮
  3.仙骨セット
 H.ランジ:腰部・股関節・膝関節伸展,足関節背屈—腓腹筋—下腿のSBL
第6章 アッパーボディテクニック
 A.全般的評価
  背臥位での観察
 B.側臥位での肩甲帯のウォームアップと評価,FST−PNFストレッチ
 C.可動域評価,ウォームアップ,FST-PNFストレッチ—肩関節・上肢
  1.上肢の牽引
  2.振幅運動・分回し運動
  3.肩関節の牽引(肩甲上腕関節の中間位・緩みの位置)—僧帽筋,斜角筋,関節包—SBAL,DBAL
  4.肩関節の牽引(軽度屈曲・外転位)—僧帽筋,菱形筋,関節包—SBAL,DBAL
  5.肩関節の牽引(90°外転位)—僧帽筋,菱形筋,関節包—SFAL,SBAL,DBAL,DFAL,FL
  6.肩関節の牽引(90°外転位からの水平外転)—大胸筋,小胸筋,上腕二頭筋,烏口腕筋—SFAL,DFAL,FL
  7.肩関節の牽引(上肢挙上位,対角線方向)—大胸筋,小胸筋,烏口腕筋,菱形筋,広背筋 —FL,SFAL,DFAL,DBAL,SBAL
  8.頭上への肩関節屈曲—大胸筋,小胸筋,広背筋,上腕三頭筋—FL,SFAL,DFAL,DBAL,SBAL
  9.水平内転を伴う頭上への肩関節屈曲—菱形筋,広背筋,上腕三頭筋—FL,DBAL,SBAL
  10.肩関節水平内転—僧帽筋,三角筋,肩関節後部—SBAL
  11.「手根骨のダンス」:手部・手関節のモビライゼーション—手根関節の滑り・関節包と手根管のストレッチ—SFAL,SBAL
  12a.「ディッシュラグ(布巾絞り)」:肩甲帯の前方突出,体幹回旋—肩関節後部,上背部—SPL,SBAL,DBAL
  12b.「ディッシュラグ」:最終域までの脊柱回旋—脊柱起立筋,腰方形筋,菱形筋—SPL,FL
  13.肩関節外旋—内旋筋群—SFAL,DFAL
  14.肩関節内旋—外旋筋群—DBAL   15.肩関節水平外転・外旋(90°外転位)—大胸筋—SFAL,FL   16.肩関節伸展・内旋,肘関節伸展—上腕二頭筋—DFAL   17.肩甲帯セッティング
 D.可動域評価,ウォームアップ,FST−PNFストレッチ—頸部
  1.肩甲帯の下制—両側の僧帽筋—SBAL
  2.頸部の牽引—頭蓋・上部頸椎の関節包と組織—SBAL,DBAL,SBL,DFL
  3.後頭下の牽引,可動域—後頭下関節の関節包と組織—SBL,SBAL,DBAL
  4.牽引,上位頸椎屈曲—頸椎・上位胸椎の伸筋群—SBL,SBAL,DBAL
  5.頸部右回旋—左の頸部回旋筋群—LL,SPL,FL
  6.頸部右側屈—左の頸部側屈筋群—LL,SPL,SBL,SBAL,DBAL,DFL
  7.右への頸部側屈と回旋の組み合わせ—左の頸部側屈筋群・回旋筋群,頸部伸筋群—LL,SPL,SBL,SBAL,DBAL,DFL
  8.頸部前方の牽引—頸部前方,舌骨上筋,舌骨下筋—DFL
  9.後頭下の牽引—後頭下関節の関節包と組織—SBL,SBAL,DBAL
  10.頸部全体の牽引—頭蓋と頸椎の関節包と組織全体—SBL,SBAL,DBAL
  11.「頭蓋セット」:後頭下屈曲—頭頸部伸筋群—DFL
  12.肩甲帯の下制—両側の僧帽筋—SBAL—再度行い終了する
 E.座位でのストレッチ
  1.肩関節伸展・内転—三角筋前部,胸筋—SFAL,FL
  2.肩関節伸展・内転,肘関節屈曲—三角筋前部,胸筋,肩甲上腕関節前方の関節包—SFAL,FL
     3.結髪動作:肩関節外転・肘関節屈曲—大胸筋,前胸部—SFAL,FL
  4.座位での広背筋ストレッチ:肩関節外転,肘関節屈曲—広背筋,大円筋,腰方形筋,肋間筋—FL,SPL,DFL,LL,DBAL
  5.回旋を伴う座位での広背筋ストレッチ:肩関節外転,肘関節屈曲,体幹回旋—広背筋,大円筋,腰方形筋,肋間筋—FL,SPL,DFL,LL,DBAL
  6.座位での上腕三頭筋ストレッチ:肩関節屈曲,肘関節屈曲—上腕三頭筋—DBAL
  7.肩甲挙筋のリリース:頸部回旋と同側への側屈—肩甲挙筋—DBAL
 F.床の上でのストレッチ
  1.バランスボール上での大胸筋ストレッチ:肩関節外転,肘関節屈曲—大胸筋—SFAL,FL
  2.バランスボール上での小胸筋ストレッチ:肩関節外転,肘関節屈曲(90°/90°)—小胸筋—DFAL
 G.立位でのストレッチ
  1.立位での菱形筋ストレッチ:体幹回旋,肩関節屈曲・肩甲帯前方突出—菱形筋—DBAL,SPL

略語一覧

序文