分子運動生理学入門
  • 編著:
    Henning Wackerhage
  • 監訳:
    石井 直方(東京大学大学院教授)
    中里 浩一(日本体育大学大学院教授)
  • 定価:
    3,960円(税込)
  • 頁:
    394ページ
  • 判型:
    A5判
  • 発行年月:
    2019年7月
  • ISBN:
    978-4-905168-59-1

内容

 「分子運動生理学」とは,分子生物学的アプローチによって運動生理学を理解しようとする学問である。運動生理学分野では,ヒトを対象とした運動に対する急性・慢性の生理学的適応について研究されているが,近年,研究者が増加しているのは,動物モデルを用い分子生物学的アプローチによって生理学的運動適応を理解しようとする「分子運動生理学」の分野である。
 これまでヒトにおける生理学的適応研究とモデル動物を駆使した分子運動生理学的研究が同一の研究室で行われることはあまりなかったが,運動生理学あるいは代謝領域の最先端では,ある1つの事象を証明する科学的アプローチとしてこの両者を行うことが必須になりつつある。つまり,今後,分子生物学の手法を駆使した「分子運動生理学」が,この分野で重要な研究領域になることを示唆している。
 本書では,持久的トレーニング,レジスタンストレーニング,スポーツ栄養学,2型糖尿病,老化など,スポーツ科学における主要なテーマについて,分子運動生理学的観点からの研究について解説されており,これから運動生理学を研究しようとする学生や大学院生はもちろん,今後の研究に分子生物学を用いようとしている運動生理学者にとって,「分子運動生理学」への扉を開く格好の機会となるであろう。

目次

第1章 分子運動生理学入門
第2章 遺伝とスポーツ,運動:背景と方法論
第3章 シグナル伝達と運動適応:背景と方法論
第4章 持久的運動による骨格筋線維の分子適応
第5章 遺伝と持久的スポーツ
第6章 レジスタンス運動に対する分子レベルでの適応
第7章 筋量と筋力の遺伝学
第8章 分子スポーツ栄養学
第9章 人類の進化と2 型糖尿病および運動
第10章 分子と加齢および運動
第11章 分子神経科学と運動
第12章 分子運動免疫学
用語解説
索  引

序文

訳者一覧

前川 達郎,田村 優樹,鴻﨑 香里奈,菊池 直樹,小谷 鷹哉,竹垣 淳也,若林 幸郁,宮永 翔平,三矢 紘駆,岡田 隆,加藤 光,野田 雅文,東宮 繁人,吉田 裕輝,佐藤 遊太